ちょっと長いのを書くやつ

上京につきグラディウスを手放したものの、バイクから逃れられずTrident660を買いました。

四国3/4周キャンプツーリング 2日目 徳島〜高知 220km

2日目です. 目次はこちら.

 

さて、部活の面々とオサラバして高知へ向かおう.

ぶらぶらする旅がしてみたい!という憧れのもと、海岸沿いを走ること以外は特に目的地を決めずに走り出したものの、猛暑の高知県でこれは間違いなく間違いであった(ややこしい

 

 

道程です.

 

徳島の時点では「とりあえず一周しよう」くらいのことしか考えていなかったので、昼食の場所も何も考えず、また長距離ツーリングは初めてだったのでペースや休憩場所も考えずにとりあえず室戸岬まで走り出した. 

 

徳島〜道の駅日和佐

googleでルート検索すると、もう少し早く着くバイパスを指定されるのだが、なるべく外縁をなぞっていきたかったので阿南道路こと国道55号線を使い阿南市街地の海側を抜けた.

国道55号線は車線も広く交通量も少ないため、非常に走りやすい道路であったが、路肩が砂利まみれで死ぬほど汚かったのですり抜け兄貴にはあまりオススメできるものではない.

さて、阿南市を抜けると土佐東街道となる国道55線は、地方によくありがちな山中の本道とバイパスの2段構成となる.

バイパスは交通量が多く思った通りには飛ばせないが、山の中を走る方は追い越し禁止なのでトラックの後ろなんかについちゃったことを想像してみればバイパスの方がまだ快適だろう.

というわけでバイパスを走り抜け、山の中を抜ける本道と合流すればすぐ道の駅日和佐に到着である.

道の駅日和佐は足湯併設、なかなか綺麗なトイレに少々のお土産施設. 涼むためにゆっくりするにはイスが少ないが、日陰は広くある.

近くにサークルKもあるが、イートインはないので何か食べるなら道の駅でイスを探すことになる.

 

道の駅日和佐〜牟岐 南阿波サンライン

さて、道の駅日和佐を出て5分も走らないうちに、県道147号線南阿波サンラインの標識が出る.

分岐点は標識は出ているものの「えぇ、ここ曲がるんですか…」と一瞬不安になるような地味な交差点なので通りすぎないよう気をつけよう.

 

南阿波サンラインは太平洋を望むワインディングロードであり、まさに気持ち良くクルマを走らせたい人のための道路であるので交通量は極めて少なく、小生が走った時はパニガーレに乗ったオニーサンがコーナーをガン攻めしていた.

小生が走ったのは8月中旬、路面が熱く大荷物だったため、少々攻めた走りをすればすぐにタイヤがモロモロに溶けてしまう、といったような具合.

太平洋を望む、といっても常に太平洋が見えているわけではなく、基本的にマツなど塩に強い木々の中を走り抜け、ところどころに設けられた展望台がビュースポットになっている.

展望台は4つほどあるのだが、中でも一番のオススメは最も日和佐寄りの第一展望台だ.

トイレと自販機があり、また駐車場は路面が荒れているものの一番広く、特別なイベントでもない限りかなり適当に停めても大丈夫なほど空いている.

この展望台の一番いいところは、少し突き出たところになっているので180°見渡すところすべて水平線、となっていることだ.

瀬戸内海で生まれ育った小生にとっては、"海に何もない"というそれ自体が見慣れぬ光景であり、はるばる四国の端っこまで行こうとしていることをここで強く実感させられた.

 

さて道中ちらちらと見える太平洋の雄大な景色と岸に打ち付ける白波に感動しながらバイクを20分ほど走らせれば、牟岐に到着だ.

国道と直接接するわけではないが、標識を見ながら走れば迷わず合流できるであろう.

 

国道55号はここから海沿い、眼下はすぐ海という絶景と共に室戸岬へ向かおう.

 

牟岐室戸岬

徐々に太平洋に面した漁村、あるいは海水浴場の町、といった風情になってくれば、店ももう少なくなってくる.

その中でもひときわ大きな海水浴場、高知県の甲浦を越えればもう室戸岬まで何もないと思ってもらってかまわない.

照りつける太陽と遮蔽物のない道のりではあったが、思っていた以上に心地の良いワインディングと、少ない交通量のおかげで非常に快適な旅をすることができた.

人里離れだしたあたりからは徐々に"崖を無理やり切り開いて道にしました"という風情の道になる.

このような具合である.

 

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地球

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こんな具合の道を40分ほどいけば室戸岬に着く.

 

室戸岬

突然"海洋深層水"と看板を持つ近代的な建物群が現れたと思ったら、まもなく到着である.

室戸岬を謳う施設はいろいろあるが、本当の先っぽまで行きたければ中岡慎太郎像のある国道沿いの駐車場に停めるのが一番手っ取り早い.

室戸岬自体は岩場といった感じで、まさしく先っぽという雰囲気ではあまりなかった.

このあたりで徳島から4時間. 昼ごはんも摂らずに走ってきたが体力の限界を迎えつつあった. 今思えば半分熱中症になっていたのだと思う.

 

さて、室戸岬を出て食事…といきたいところだが、その前に室戸岬灯台にぜひ寄ってみてほしい.

灯台へは、室戸スカイラインに入ったところ. 札所でもある最御崎寺の境内からアクセスできる.

室戸岬自体はあまり果て感がなかったが、こちらは強烈. 正面の海に"なにもない"という衝撃は、大阪湾で生まれ育った自分にとってはかなり印象深いものであった.

 

 

Uターンは平坦な土地で行おう. お兄さんとの約束だぞ.

 

さて、長らく走り続けてきたがここらで昼食としよう.

ツーリングマップルを見てもらっても分かる通り、室戸岬には昼ごはんを食べられるレストランがあまりないので自然と選択肢は限られてくる.

その中でもクジラの竜田揚げがウリという道の駅キラメッセ室戸で昼食とした.

店内は広々としており、また大きな窓からは太平洋が一望できるというかなりの好立地.

空調もしっかりしており水も冷たく、まさにオアシスといったところ.

見ての通りかなりのボリューム感だが、これで1188円. 値段相応かどうかは味次第.

かつて給食で出てきた硬いクジラの竜田揚げのイメージでかじりついてみると、 思いの外柔らかで、またクセも少なくかなり勢い良く食べられるものであった.

また、何より嬉しいのがお米の量である. 一見小ぶりなお櫃だが、中身はぎっしり詰まっており、熱中症になりかけていた身体にはむしろ少々きつかった.

これ以外にも、鉄火丼やかけうどんなど安価なメニューも存在し、軽いお菓子や飲み物、それにお土産コーナーと捕鯨の歴史に関する展示施設もあったので、室戸岬へいった際はぜひ立ち寄ってみてほしい.

 

室戸岬〜高知

ここからは徳島側よりも多少街が発展している.

交通量もそこそこ増えるが、田舎特有の流れの速さにより特にストレスを感じることなく高知市街地までたどり着けよう.

こちら側は道中にコンビニが多く、ガソリンスタンドもかなりの頻度であるので、心配なく走ることができる.

そして国道55号線は、高知市内に至るまで道中特に見所さんはないので特に書くこともない.

 

赤野展望台

高知県安芸市. 海が概ね南側になりだすあたりである.

 

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シブイ…

大きめの東屋があるのでのんびりできる上、自然に想いを馳せることもできる.

重ね重ね申し上げるがここ以外にビュースポットはない.

 

種崎千松キャンプ場

国道55号線に別れを告げて、県道14号線に入ってしばらく、土佐なんちゃら空港を越え、まさに桂浜へ渡ろうとする橋の手前、左手に現れるラブホテルの奥から続く道が、種崎千松キャンプ場への入り口である.

 

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ネットでレビューを見る限り、褒めちぎってあったり貶され散らしていたりと評価は様々だが、自分なりのレビューをしていく.

・駐輪環境

バイク専用のコーナーはない. とめるなら前述の県道14号線の橋の下か駐車場になるが、橋の下はなんとなく雰囲気が悪いので駐車場の方がまだマシかと思う.

駐輪場所から小さな柵を越えればすぐキャンプサイトである.

キャンプサイト

キャンプサイトといっても公園全体が野営可能なので、駐輪場所から適度に近く、また夜中にDQNが何かしても適度に遮られる程度奥、そして水場からも離れたところにしよう. 間に木を挟むだけでだいぶ違うゾ.

キャンプサイトは全体に松が生えており、地面には松の落ち葉と根っこの出っ張りが少々ながら、テントを張る場所には困らず、蟻やその他の虫はほとんどいない印象であった. 蚊も少なかった.

また地面は比較的柔らかな土、元は海岸であったろう黒く目の細かいものであったが、つい数時間前に夕立に遭った後敷いたランドシートにもかかわらず、朝になって回収するときにくっついてまわるような厄介なものではなかった.

レビューにGがでるだとか蚊がでるだとか書いていた人はきっと水場近くにテントを張ったのだと思う.

水場と駐車場から距離を置こうとすると、墓場(なぜこんなところにあるのか謎)に近づくことになる.

小生は霊感EDであるものの、一応墓に暮らす先人に配慮し距離をとってテントを張ったが、そういうものが気になる各位はこのキャンプ場はいまひとつ過ごしづらいかもしれない.

・水場

トイレは綺麗だが、水場は都市部に近いだけあってマナーが悪く、花火のガラなどが残してありとても衛生的とは言えなかった.

また、周りの地面も汚れており、ここなら(虫さんが)楽しく暮らせそうであった.

散々言ってはいるが、肝心の水自体は綺麗であるから洗い物には困ることはない.

・景観

場所自体は高い堤防と高い橋に囲まれた空間なので、あまり楽しいものではないが、それ以上に松が生い茂っているのでコンクリートに囲まれているという印象はそれほどない.

また、キャンプ場から直接夕日や朝日を見ることはできないが、バイクですぐの桂浜からは綺麗な朝日を望むことができる.

・夜

このキャンプ場のレビューに「夜は国道を通る車がうるさく眠れない」「駐車場で騒ぐ若者がおり眠れない」など騒音に関するものが多くあったので個人的感想を.

まず国道を通る車に関してであるが、正直なことを言うと思っていたほどではなかった. 静かな郊外に生活している人ならそうではないのかもしれないが、ある程度の都市部に暮らし日頃から交通の音に慣れている人なら全く気にならないように思う.

また、曜日の関係もあるかもしれないが、噂に聞いていた暴走族や地元のヤンキーなどの襲撃は受けなかった. 堤防のあたりで花火をする音は聞こえていたが、これもまた眠れなくなるほどのものではなく、石油王が大金をはたいてこの辺りの花火を全部買い占めて一気に燃やしでもしない限り快適な睡眠が送れることと思う.

 

快眠できただけあって概ね良い印象である.

ちなみにこのキャンプ場、ストイックお遍路マンも泊まるようで小生が訪れたときには外国から来られたオニーサンが般若心経タオル片手に半裸で朝の体操をしていた.

 

スーパーはバイクでちょっと行ったところにマルナカがあるので、食材はそこで調達してもよし、市街地に足を伸ばして食べてもよしである. 小生はクジラの竜田揚げが胃に残っており食べなかった.

 

さて、続いてはこのシリーズのメイン、"風呂"である.

 

お風呂

多くのキャンプ情報サイトでは、国民宿舎のお風呂が紹介されている.

施設紹介 - 高知で宿泊【国民宿舎 桂浜荘】

しかしここは宿泊者以外は15時までしか入浴できない. 小生のような朝早く起きて一日中走って目的地で風呂入って寝るだけスタイルのオタクたちにとっては全く使えない代物である. 困った.

 

というわけで今回紹介するのはなんとバイクで20分という遠距離スーパー銭湯である.

その名もこちら

www.pokaon-tosa.com

土佐ぽかぽか温泉. URLは"ぽかおん". 放課後にティータイムでも楽しんでそう.

 

キャンプ場からGoogleマップを辿るととにかく綺麗だが何もない道を永遠と走ることになる. 途中で広域林道に入ることになるがギョッとしないでほしい.

駐車場(駐輪場)は無料. 交通量の少ない広い道に面している.

施設としてはいわゆる普通のスーパー銭湯といったところ. ランドリーに食事処に岩盤浴にサウナに露天風呂. より高知市街地に近いところに系列店があるので、ここに来るのは専ら地元の人たちばかりらしく野球部男子中学生たちが湯船の中で恋バナに花を咲かせていたのが印象的であった. 恋カナ☆

大人740円、深夜0030まで受付の0100閉館. ロングランキャンパーに優しい.

泉質は至って普通のナトリウム・塩化物泉. 無色透明無臭. しかし温泉には違いなく汗をかくまでしっかり温まることができた.

ここは露天風呂が非常に印象的で、種類も多くなにより広かった. 前日の徳島が阿波踊りで芋の子を洗う状態だったことも手伝ったがかなり開放的な印象. 前日の徳島のように露天風呂にテレビがあるようなことはなく、静かな時間が過ぎており非常に心地良く過ごした.

(サウナは入って)ないです。

地元の人&ファミリー向けの施設とあって、深い時間になればなるほど人が減り空いていきよりゆっくり過ごす事ができ、また清潔感もあるオススメの施設だ.

当然のことだが遅い時間になればなるほど、温泉〜キャンプ場の間の広いだけの何もない道で誰かに遭遇する率が下がるので、何かあったとき心細さで死ぬことになりかねないのでそこだけ気をつけてほしい. 23時前に通ったが本当に交通がなく太平洋沿いの海岸線を通る県道14号線に出るまで全線ハイビームで通り抜けることができた. 正直すっっごい気持ちよかった.

 

謎の皮膚病にかかる

ここのスーパー銭湯に辿り着いた段階で、右足首の外側に多量の水疱が出来ており、尋常じゃない痒みに襲われていた.

おそらく前日泊まった徳島あたりでダニあたりに噛まれ、昼間の熱中症もどきで抵抗力が低下していたところで大繁殖されたのだと思う.

ともかく溢れ出る組織液と絶え間なく押し寄せる痒みで足首と小生の旅行モチベは酷いことになっており、この時点でニコニコ動画にあがっているたくさんのカッコイイ=ツーリングヴィデオのようなオサレ=キャンプは諦めた.

シャワーと石鹸で丁寧に洗い流した後は、なにがしかの伝染病の可能性を危惧して人のいない湯船を探しては右足を出しながら身体をほぐした.

キャンプセットに応急救護セットを積載していなかったので、温泉の横にあったドラッグストアに駆け込み"虫刺され薬(医薬品),ガーゼ,テープ,蚊除けスプレー"と、あとは本能の赴くまま夜食兼朝食のパンと紅茶のティーバッグを買い込んだ. ともかくテンションを上げたかったのでローズヒップハーブティー.

温泉のロビーで長椅子の上に買ってきたものを広げ、虫刺され薬を塗りガーゼで抑えた. 地元の人に怪訝な顔で見られたが背に腹は代えられない. すみませんでした.

 

 

かくしてテンションを取り戻したkg_nullは、ハルヒのサントラを聴きながら上機嫌でキャンプ場に戻りパンにかじりついたのち、即爆睡をキメたのであった……

 

(正直この200km超が一番キツかった. バイク乗ってて吐き気なんて初めて感じた. ペース作りと休憩と食事の計画は大事. これ以降はペースを考えて走った結果極めて充実したキャンプツーリングとなりますのでご安心ください.)

 

 

3日目へ続く.